哺乳動物をはじめ、爬虫類、魚類、土壌など環境中に広く分布しています。特にブタはエルシニアを高率に保菌しています。発育最適温度は28℃付近ですが、4℃以下の冷蔵状態でも発育することができます。
食中毒の原因食品として特定されたものには、加工乳、水道水(簡易水道)、サラダ等があります。また、ブタの保菌率が高いため、汚染されたブタ肉の加熱調理不足や調理過程での二次汚染も食中毒の原因になります。その他、野ネズミなどの野生動物のふん便により汚染された沢水等を飲用することでも感染します。
潜伏期間は平均2~5日と長いのが特徴です。症状は、下痢、腹痛、発熱で、虫垂炎、関節炎、咽頭炎等の症状を呈することもあります。
1. 食肉の汚染防止やこれらによる調理器具等への二次汚染を防ぐこと
2. エルシニアは低温(4℃以下)でも増殖するため、食肉の冷蔵庫内での長期保存は避け、
冷凍保存をすること
3. エルシニアは75℃1分の加熱で死滅するため、調理時は十分な加熱をすること
4. 井戸水や沢水を使用している施設は、加熱、消毒されたものを使用するよう衛生管理を徹底すること
都内に流通する食肉、食肉製品について、ヒトに対し病原性を持つエルシニアの検査を行っています。